ストローベイルハウスに関する基本的な質問 Question and Answer |
回答者 日本ストローベイルハウス協会 馬上精彦
Q1
アメリカが発祥ということですが、歴史等を簡単に教えてください。
アメリカ合衆国のほぼど真ん中、ネブラスカ州の西側でのみで作られていた地域的な建築方法でした。記録に残る最も古い家は1886年にベイヤードに作られたものです。この地域はグレート・プレーンと呼ばれ、バッファローの群生する大草原でした。樹木が皆無の土地だったので、開拓者たちが有り余る草原の草をブロックにして作ったのが起源です。1974年に「シェルター」という本にこの特殊な建築が紹介され、リバイバルの動きがおこりました。
ブームとなったのはアメリカでも1990年代以降のことなので、まだ新しいムーブメントです。私が日本に初めて紹介したのは1999年のことです。
それを行うあなた自身のSMI修理
Q2
壁式構造と非壁式構造がありますが、その違いは?
壁式構造(ロード・ベアルング・システム)とは、直接わら壁だけで屋根荷重を受けるものです。アメリカではヴァナキュラー・タイプ(土着型)とかネブラスカ・スタイルと呼ばれています。木材の使用量が少なく、工法も簡単で利点が多いのですが、日本の建築基準法にはないものなので、限られた場所でしか建てられません。また2階建てや大型の建物には向いていません。
非壁式構造(ノンロード・ベアルング・システム)とは、在来の建築構造(木造軸組、2×4パネル壁、鉄骨、RCなど)を組み、その内あるいは外側にわら壁を積上げていくものです。耐震性などの強度はそれぞれの構造に準じたものとなります。
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Q3
ストローベイル(わらブロック)はどのように入手し、1個の値段はいくらですか?
ストローベイルは畜産農家が家畜の飼料や敷きわら用として、わらをベイラーという機械で圧縮して保存しているものです。
ベイルの形状は2種類あります。
1.ロールべイル
数100キログラムの藁を圧縮しロール状に巻き、ビニール梱包したもの。
2.ブロックベイルまたはコンパクトベイル
15〜20キログラムの藁を長方体に圧縮したもの。
現在は大型で保管に便利なロールベイルが主流となっています。
建築で使うのは、ブロックベイルです。
市販されているものではないので、定価というものはありません。
ブロックベイルは製作や移動運搬に人手がかかりますので、藁の値段というよりも労働人件費が値段ということになります。
農家との交渉次第で、労働に見合った対価を支払えば入手 出来ます。
日本ストローベイルハウス協会では、会員の方へのベイルの供給を行っております。
購入に際しては、日本ストローベイルハウス協会への入会が必要です。
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Q4
工費は?
建築の総工費とは、単純計算すれば [材料費+人件費]ということになります。
セルフビルトの場合は、自分で工事を行った分だけ当然[人件費]が減額になります。
注文住宅の場合は、アメリカでは一般住宅(2×4住宅)よりも高価です。壁工事に多くの[人件費]がかかるからです。
日本ではまだ専門業者がありませんし、標準仕様というものもないので、坪単価を単純計算することはむずかしい状況です。
専門の設計者が指導し、一般の建築業者に100%施工発注するとすれば、[在来木造住宅の工費]+[ストローベイル壁工事費]が必要となります。
しかしオープンシステムという施工発注方式をとれば、[在来木造住宅並みの工費]に収めることも可能です。このシステムは、元請け建築業者1社に100%施工発注をするのではなく、大工、基礎、設備、ストローベイ� ��工事などを各専門業者に、施主直接が分離発注するものです。
施主自身が施工に介入することより、中間利益(材料費と人件費の両面)をカットすることが出来ます。また施主自身がストローベイル工事を担当することも可能になります。
Q5
わらの種類はどんなものが一般的ですか? ベイルのサイズは?
アメリカでは麦類、特に大麦のベイルが多いですが。日本では稲わらを使います。
ベイルの標準的なサイズは、幅80〜100cm、奥行45cm、高さ35cmくらいです。作り方によってサイズにバラつきがありますが、ミリ単位の精度は要りません。
このサイズ(容積)に対して、15〜20kgのわら重量が適正な圧縮度です。
Q6
わらや土は水に弱いと思うのですが、耐久性とメンテナンスは?
わらは水分を含むと腐敗してしまいます。外壁を土塗りだけで保たせようとしたら、メンテナンスは欠かせません。ヒビ割れなどが生じた場合は早急に補修しなければなりません。雨にあたらない内側は土壁でも平気ですが、外壁の土壁を長保ちさせるには、テマ、ヒマ、ワザが必要です。昔の民家の土壁は下、中、上塗りと工程を重ね、数年がかりで仕上げました。土壁左官は手間と時間をかけることによって高性能、高寿命のものとなります。外壁にはモルタルや漆喰などのほうが、水には強く長保ちします。
アメリカでは100年以上前のストローベイルハウスが現存しています。壁塗りはスタッコと呼ばれるモルタル系のものです。100年たっても壁の中のわらは腐っていませんでした。ストローベイルハウスの耐久性は� �官技術に大きく左右されます。
Q7
高断熱ということですが、建てられる場所は北から南まで、場所は選びませんか?
ストローベイルハウスの高い断熱性能は、世界各地の様々な気候風土の中で実証されています。
寒さに対しても、暑さに対しても有効で、エネルギー・ロスの少ない快適な家が出来ます。
地球の温暖化対策に有効な未来型建築といえます。
Q8
素人でもセルフビルトは可能ですか?
壁式の場合は、大型の積み木細工のようなものですから、素人でも家作りの概念が理解しやすいので、他の工法よりは容易だと思います。しかし基礎、設備、屋根、建具工事などは一般の工法と同じですから、それなりの建築知識は必要でしょう。
非壁式の場合は、構造部分はプロに頼み、ストローベイル壁はセルフビルトするというのが現実的ではないでしょうか。
セミナーやワークショップへの参加で、ストローベイル工法を学ぶことをお勧めします。
Q9
建築の依頼はどこにしたら良いのでしょうか?
日本ストローベイルハウス協会にご連絡下さい。
専門の設計者を紹介します。
またストローベイル工事のインストラクターや施工チームの派遣をします。
日本ではまだストローベイルハウス建築の専門業者はありませんが、専門の建築家が指導、監理すれば、一般の建築業者(大工、工務店、建築会社など)でも施行可能です。
設計料は一般の建築と同じです。
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